ローリングストーンズのヒット曲、(I Can’t Get No) Satisfactionのイントロで使われたことで有名なMaestro FZ-1。1962年に市場に放たれたそれはペダルエフェクターの始祖、現在まで続く試行錯誤の歴史の始まりの音です。
Maestro FZ-1A FUZZ-TONE
【Maestro FZ-1A FUZZ-TONE】
当時在庫が余っていたFZ-1は1965年のキースリチャーズのリフによりすぐさま完売。3V動作だったのを1.5V動作(単3電池1本)に改良し、再生産を行いました。本来はギター側に繋ぐグレーのシールドが直で生えていますが本機は使いやすいようジャックに交換されております。TONE BENDER MK1の基となったともいわれ、独特の毛羽だったテクスチャとゲート具合がとても心地良い。これが世界初のコンパクトエフェクターです。そんな気持ちでギターを唸らせてください。
Maestro FZ-1B FUZZ-TONE
【Maestro FZ-1B FUZZ-TONE】
本機はFZ-1Bという、伝説的なシンセサイザーやエフェクトユニットで知られるMoog氏により、9V電池1個で駆動するよう改良が加えられたモデル。それが1968年のこと。いわば後継機種です。このFZ-1Bのタイミングで回路改訂を3度経たと言われています。本機は2個のシリコントランジスタが採用され、より安定した動作を確保しております。
Volumeがエフェクトのオンオフ関係なく動作する仕様で、基本時計回りに回し切った状態でセッティングするものと思われます。逆にアウトプットゲインを下げたい場合はここを下げます。ファズの歪み量は固定で、Balanceでクリーントーンにファズをミックスしていくような使い方です。Balanceが時計回りに回し切った状態でオンオフの差がない状態、反時計回りでファズのみの信号です。
先代のFZ-1Aとは音色が大きく異なり、全く別物であると捉えたほうが良さそうです。本機FZ-1Bはゲインも低く、トレブルブースターのような、元ある音色にザラっとした質感、サチュレーションを上乗せする役割に近いように思います。
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