全国から新品・中古品の状態を問わず、ギター、ベース、管楽器からエフェクター、音楽機材などの楽器の買取をおこなっています。

ヤマオカ

トランスペアレント系オーバードライブ

Paul Cochrane Timmy Overdrive V2を入荷いたしました。
【デジマート】
https://www.digimart.net/cat13/shop4916/DS09962117

昨今、オーバードライブは様々なジャンル分けがなされております。
ジャンル、というより何を基に製作しているか、という分け方でしょうか。
TS系、ケンタウルス系…そのなかにトランスペアレント系というものがあります。
これは明確なモデルがあるのではなく、フワっとした括りです。
透明、つまり原音をゴロっと変えることなく、味付けをする。ここでいう原音とは入力段階のレンジ(EQ具合)という認識でよいでしょう。

通説として「Marshall Blues Breaker」がその祖であるとされています。John Mayerの使用により、それまでとは認知度と必要性みたいなものが転換したともいわれています。
ローゲインで、レンジ感の変化が少なく、ナチュラルに歪むという真空管アンプのような方向性を持っていました。
その素直さ、入力信号に対してサポートに徹するイメージは今回入荷した「Paul Cochrane Timmy Overdrive」(※1)へとバトンが繋がります。
(※1 Timmyは先発モデルであるTIMのドライブセクションを独立させた後発モデルです。)

俗説ですがペダルビルダーであるPaul Cochraneは「Marshall Blues Breaker」の音色に影響を受けたといわれています。
音色の方向性はそれに合わせつつ、もっと”道具”としての役割を追求した点が、以降のペダルビルダーに与えた図りしえない影響だと思います。

それは入力段の音色を極力変えることなく、いわば透明な彩りでブースターとしての”機能性”が広いことです。
「ブースターとしての機能性?クリーンブースター、イコライザーはどうなる?」と様々な視点がございます。
クリーンブースターとトランスペアレント系ODは非常に似たコンセプトのものがあるものの、あくまでオーバードライブの範疇に収まるものを指すとします。

TimmyのキモはTreble、Bassの2バンドEQにあります。反時計回りに回し切った状態がフルレンジです。そこから各々、時計回りはカット方向に効いてゆきます。
これによってミッドをスクープしたTSライクな機能、ベースカットし音抜けを確保したハイミッドを強調するトレブルブースター、逆のボトムブースター、そしてそれぞの中間。

ここで感じたのはTimmyにおける「トランスペアレント」とは、既にある音色に対して働く、”拡張性を備えた機能”を持つオーバードライブ…多機能でありながら原音に対する存在感がトランスペアレントであるというニュアンスだと思います。

それに対してTimmyの回路と似ているといわれるトランスペアレント系ODで重要な位置づけにあるのが「VEMURAM Jan Ray」の存在です。
機能的であるが質感はトランスペアレントであったTimmyとは異なり、Jan Rayは既にある機材に対して”空気感”をプラスα加える、”聴覚上、透明感を感じる音質感”を目指していると思われます。ブラスの筐体を採用している点や、サチュレーショントリマーがある点からも、おおよそその方向性が伺えます。

なので巷で「回路が同じだ」「パクリだ」などの意見が散見されますが、そもそもの設計思想、目指した機能、音質はまるで異なります。
そのため、同じトランスペアレント系オーバードライブで括られますが、その中でも「Timmy派」「Jan Ray派」と大きく分かれると思います。

●Timmy派(ペダルとしての機能性に特化した、既にある音色に対しての透明性。)
→ 「MAD PROFESSOR Royal Blue Overdrive」「J. ROCKETT AUDIO DESIGNS Blue Note Over Drive」など
●Jan Ray派(元の音色は活かしつつONにすることで空気感、質感を付与する、単純に音色に対して受ける印象としての透明性。)・・・「JHS Pedals Morning Glory」「KarDiaN CHCL3 CHLOROFORM」など

と、まぁ無理やりかつ個人的な見解ですが、お好みのトランスペアレント系を探す一助になれば幸いです。

コメント

この記事へのコメントはありません。

PAGE TOP