滋賀県が誇るペダルビルダー北田氏によるブランド「KarDiaN(カージアン)」。
研究に研究を重ねる根気と、類まれなるセンス、そして冷静な客観視を持つ氏は2017年に開催されたビルダーズ・コンテスト優勝を皮切りに、日本国内だけでなく海外にもその販路を広げるに至ります。
今回紹介させていただくのはファズ。BIGMUFFのサウンドをKarDiaN流に再構築した、
「C6H8O6 ビタミンC」、でございます。
以下オフィシャルサイトより引用(※)。
5つの素子が作る、新しいファズ
数多く存在するペダルの中でもひときわ異彩を放ち、なおかつ絶大な人気を誇るファズ。そのビンテージには魅惑的なサウンドが存在しプレイヤーの心を掴んで離しません。しかしビンテージならではの悩みとして、現代の演奏環境にそぐわない仕様がいくつか存在していました。そんな中ファズのあり方を定義するため開発に挑んだのが”C6H806 / ビタミンC”です。トランジスタとFETからなる5つの素子を備えることによって、ゲイン量を落とした際にも煌びやかな高音が失われず、未体験のファズサウンドをもたらしてくれます。加えてファズペダルには珍しい2EQの採用により、さらに自在なサウンドメイキングが可能です。また、5つの素子でゲインアップを分割したことにより前段に接続されたバッファーペダルの影響を受けにくく、現代のボードシステムに合わせた自由なレイアウトが選択できます。5つの素子が伝えるもの、それは”Vintage Fuzz”のDNAと現代のギタリストが求める繊細な仕様です。
(※https://kardian.net/products/c6h8o6)
北田氏は古今東西あらゆるBIGMUFFを所持しており、その緻密で豊富なデータ量と情熱は国内No.1かもしれません。私もいくつか弾かせていただいたことがあります。サウンドや空気感は素晴らしいにも関わらずスウィートスポットというのでしょうか、確実に使えるなというポイントは決して広くはなく、汎用性の高い道具というよりは、ここぞという時に取り出す武器のような、そんな印象を受けました。
本機はそんなジレンマを覆すようなペダルです。ヴィンテージマフのもつ、荒々しさのなかにある繊細なレスポンスを実現。2バンドEQを備えることでクリーミーなサウンドからグランジライクなサウンドまで幅広く対応できます。BASSの効き方が絶妙で、ソロ/リードを弾くのか、コードを鳴らすのか、弾き方によって出てほしい低音、ひっこめたい低音が良い塩梅で増減します。
そしてなんといってもゲインの幅が広いことでしょうか。これにより前段のオーバードライブやディストーションと組み合わせて、歪みは少なくもガッとした勢いを加えるブースターとしての運用も可能です。ピッキングニュアンスに対する反応が良いというのも大きなポイントでしょう。
誤解が無いように言うとヴィンテージマフのクローンということではございません。あくまで現代的な解釈を伴った新しいペダルではあります。古いマフのもつ要素、要素を落とし込んだというニュアンスで、そのあたりは実際に弾いていただくと感じて頂けるかと思います。また、単純にマフ系ペダルのなかでもトップクラスにサウンドメイクのしやすいファズで、そんなペダルをお探しの方へおすすめです。
サウンドはこんな雰囲気です。拙い演奏ですが少しでも参考になれば幸いです。
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