2010年、フェンダーカスタムショップによるマスタービルダー「デニス・ガルスカ」製作の一本。
家具職人であった経歴を持つ彼のギターはどれも木工の放つオーラが一級品。その風格に目を奪われます。
付属のスペック表より楽器店のオーダーと思われる本機は一見1973年に発表された「Telecaster Deluxe」のようにも見受けられますが、細部を見ていくと実は似て非なるものとわかります。
デラックスの場合はボディにコンターがあり、ラージヘッドのストラトキャスターのネック（もちろん当時のストラトネックはジャンボフレットで平ための9.5R）とともに組み上げられています。
対して本機はなんと57ストラトのネック。少し厚めのソフトなVシェイプにヴィンテージサイズのフレットとラジアス7.25R、1つのストリングスガイド…そしてスモールヘッドにスパゲッティロゴなのです。
ボディのほうにも目を向けるとデラックスなルックスですが上述の通りバックコンターがございません。
これは1959年登場のカスタムテレキャスター(サンバーストにボディバインディング)のモデルチェンジ版、1972年発表の通称テレキャスター「カスタム」に準拠しております。72カスタムはフロントハム、リアシングルという仕様でボディコンターがございません。恐らく、ですがコンターなしの2ハム仕様にしたかったため、ボディトップのテンプレートのみデラックスのそれをセレクトしたのでしょう。材はライトアッシュが使用されております。
そんな細かなこだわりがあったからこそこの「カスタム」ショップなのでしょう。
ピックアップは伝説の職人アビゲイル・イバラが製作したハムバッカーが搭載。ロック史を彩る系譜のサウンド、力を感じるその響きは思わずディストーションをONにしたくなるほど。
付属品も充実しております。ハードケースを開けたその時…びっしり入ったレリックギターがあなたの少年を迎えに来ます。
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