【商品紹介】Fender Custom Shop – Apprentice Built 1962 Telecaster Heavy Relic by Levi Perry

2022年製造。フェンダーカスタムショップの最高峰…選ばれた職人が全ての工程を一人で仕上げるマスタービルダーシリーズの一本です。正確には今まで見なかったシリーズである”Master Builder Apprentice”、つまりマスタービルダー候補生の段階で製作されたものとなります。その名はLevi Perry、翌年2023年に正式にマスタービルダーに昇格しております。マスタービルダーとなってしまえばその銘は付きませんので、Perry氏に関わらずこの候補生シリーズは後々付加価値がつき、希少になることでしょう。
世界規模のギターメーカーであるフェンダーですから、候補生が製作したといっても決して半端なものではございません。そのバイアス、フェンダーだから、という理由を除いたとしても精工さ、音質、フィーリング、ルックスはまさに世界レベルの一級品といえます。本機は1963年のテレキャスターをベースとしており、アッシュボディ(スペック表では誤植なのかアルダーとなっております。)にメイプルネック、ローズウッド指板というマテリアルです。圧巻のヘヴィレリックで、ボディはレイクプラシッドブルーが退色した色合いとなっております。べっ甲柄のピックガードもそこらでは見られない奥行きと質感を醸しており、徹底されたハードウェアのレリックとも相まって、まさにヴィンテージギターのよう。一方で指板ラジアスは近年主流である9.5″Rを採用、フレットはジャンボサイズが打たれおり、近代的な演奏性を実現。演奏してナンボという楽器の本質を体現しております。
一番気になるのはやはりピックアップの配列でしょう。センターにストラト用ネックピックアップが搭載されております。ボリューム操作を容易にするためコントロールプレートも逆となっており、恐らくは1960年代当時、プレイヤーが理想とするテレキャスターへモディファイを施し、そのまま時を経た、というストーリーなのでしょう。真偽は分かりかねますが、ヴィンテージを完全再現する方向性とは異なる、こういった仕様はそういう想像が掻き立てられます。
肝心なピックアップは伝説のピックアップ職人アビゲイルイバラの愛弟子であるホセフィーナカンポスにより製作されたハンドワイアードモデルです。3つともそうであります。セレクターは5wayでハーフトーンも出せますが、ハードテイルのストラトキャスターとは異なり、3wayのサドルであることやボディ形状などの要素からサウンドはれっきとしたテレキャスターです。ややこしいですが、ハードテイルのストラト、というよりもセンターピックアップが増設されたテレキャスターという解釈で間違いはないでしょう。
フロントリアのミックスが失われているので、その点は賛否の分かれるところではあります。しかしながらそれをマイナスとはさせない、腰の据わった説得力を感じるサウンドを出力してくれます。程よく出力がありながら、枯れたパンチもしっかりと感じ、モダンハイエンドギターとはやや異なる出方ですが弾き手のダイナミクスにも忠実で、それでいながらフェンダーのトーンを体現している、そんな印象でしょうか。
コンディションは非常に良好です。レリック以外に付いたキズは見受けられず、フレットの減りもございません。2022年製造ということもあってか、使用感はない、といっても過言ではないと思います。付属品も充実しております。
新進気鋭のマスタービルダーということもあって、国内ではLevi Perry氏製作のギターはあまり目にすることがないですが、これを機に知っていただければと思います。
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